将棋駒作りに人生を捧げた神田和徳さん、その壮大なコレクションの行方に迫る
2024年10月23日に放送されたNHK総合の『熱中時間のあとしまつ』は、コレクションを引き継ぐ難題に直面する「熱中人」たちに密着した特別番組です。情熱を捧げて集め、作り上げたコレクションが膨大になり、次世代にどう引き継いでいくか、その難題を抱えた熱中人たちの実態と解決策を追いました。
今回特集されたのは、600種類以上の木材を使って1425種類もの将棋駒を自作してきた神田和徳さん。彼のコレクションがどこに引き継がれるのか、さまざまな試行錯誤を経たその「あとしまつ」の行方に迫ります。将棋駒作りにかけた人生と、その情熱を引き継ぐための苦悩が描かれました。
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神田和徳さんの壮大なコレクション:自作の将棋駒が1425種類に達するまで
■ 600種類の木材で作られた将棋駒、17年で1425種類に到達!
神田和徳さんは、23歳の頃から独学で将棋駒作りに挑戦してきました。趣味として将棋を楽しむ中、駒を購入するお金がなく、自分で作ることを決意。以来、600種類以上の木材を使って駒を制作し続け、その情熱は17年で1425種類にもおよぶコレクションを生み出しました。
彼の駒作りは、単なる趣味の域を超えています。木の質感や風合いにこだわり、それぞれの木材の特性を活かして丁寧に彫り上げた駒は、まさに一品一品が芸術品。駒を作り始めた当初、彼が所有していたケースは24枚でしたが、今では57枚ものケースに拡張。自宅のあちこちが彼の駒で埋め尽くされるほどの規模に達しています。
神田さんが情熱を注ぎ込んだ将棋駒は、その見た目だけでなく、使うたびに手にしっくりとなじむよう工夫が凝らされています。駒を彫り上げる技術は独学で身につけたものであり、そのこだわりは彼の手によって磨かれてきました。
■ 将棋駒作りに費やした時間:駒作りが7割、仕事が3割の生活
藤岡弘さんが神田さんの自宅を訪ね、彼の駒作りに挑戦しました。藤岡さんが「まっすぐ彫ることもままならなかった」と語るほど、その作業は繊細で精密なものでした。彫り込む際の力加減や木材の扱い方、細かな技術が必要で、駒作りは簡単には真似できない職人技だということが明らかに。
現在、神田さんの生活は「駒作り7割、仕事3割」と語られ、駒作りにほとんどの時間を費やしています。その情熱と献身ぶりに、見る人すべてが驚かされました。
熱中人たちの壮大なコレクションの「あとしまつ」
■ コレクションが膨大に…「あとしまつ」に苦悩する熱中人たち
神田さんの他にも、『熱中時間のあとしまつ』では、膨大なコレクションを持つ「熱中人」たちが登場しました。例えば、ペナントを集める北澤靖さんは、2000枚だったコレクションが約20000枚に増加。ラジコンボートの渡部展久さん、極小折鶴を集める江間充祐さんなど、さまざまな趣味を極めた熱中人たちが自らのコレクションに情熱を注ぎ続けています。
しかし、そのコレクションが膨大になると、引き継ぎ先を見つけるのは容易ではありません。多くの熱中人たちは、自分の集めたものや作ったものをどこに託せば良いのか悩んでいるのです。
成功したあとしまつの事例:クモの巣や消防車のコレクション
■ クモの巣コレクションが科学館に引き継がれた成功例
番組では、うまくコレクションを引き継いだ熱中人たちの事例も紹介されました。例えば、クモの巣を収集していた船曳和代さん。彼女は10年間で約2000点ものクモの巣を集め、そのコレクションを兵庫県の姫路科学館に寄贈。科学館では適切な保存環境の中で、コレクションが大切に保管され、展示にも活用されています。こうした成功例は、他の熱中人たちにも希望を与えるものです。
■ 消防車コレクションの引き継ぎ成功例
消防車をコレクションしていた鈴木靖幸さんも、コレクションをうまく引き継いだ成功例として紹介されました。鈴木さんのコレクションは、最初は3台だった消防車が27台にまで増加。彼は茨城県に消防自動車博物館を作り、その館長を務めるまでになりました。鈴木さんの情熱が、次世代へと受け継がれていく姿は、多くの熱中人たちに希望を与えるものでした。
神田和徳さんの将棋駒コレクション、引き継ぎ先を求めて
■ 天童市の将棋資料館での展示は叶わず…
神田さんのコレクションの引き継ぎ先を見つけるべく、番組スタッフは将棋駒の生産量が日本一の山形県天童市を訪れました。天童市には将棋資料館もありますが、館長の新関知己さんによれば、展示スペースがないため、神田さんのコレクションを引き受けることはできませんでした。
その後も天童市内のホテルや将棋駒製造所を訪ね、コレクションを展示できる場所を探しましたが、いずれも適切な場所を見つけることはできませんでした。
■ 東京・新木場、茨城県神栖市でも場所を探し続ける
次に訪れたのは東京・新木場の木材・合板博物館。木材に関する博物館であるため、神田さんのコレクションとの関連性があると期待されましたが、ここでも展示スペースの問題で受け入れは叶いませんでした。
しかし、最終的に茨城県神栖市で前向きな回答が得られました。神栖市は将棋盤の生産量日本一を誇る町であり、地元の会社の社長が、神田さんのコレクションを展示するためのスペースを確保しようと検討していることが明らかになりました。
展示先がついに決定!将棋駒コレクションの引き継ぎが成功
■ 茨城県筑西市のテーマパークが神田さんのコレクションを引き受ける
神田和徳さんのコレクションの引き継ぎ先がついに決定しました。最終的に、茨城県筑西市にあるテーマパークが神田さんの将棋駒を展示することに。消防自動車博物館や他のコレクションも展示されている広大な敷地を持つこの施設は、神田さんの膨大なコレクションを引き継ぐのに最適な場所です。
施設の現場責任者である野口稔夫さんは、神田さんの丁寧なものづくりの姿勢に感銘を受け、コレクションを受け入れる決断をしたといいます。神田さんの熱中ぶりが、多くの人々に感動を与え続ける場所で保存されることになりました。
まとめ
2024年10月23日放送の『熱中時間のあとしまつ』では、神田和徳さんが将棋駒作りに捧げた人生と、彼の壮大なコレクションの引き継ぎの行方に密着しました。1425種類もの自作将棋駒を展示する場所を探す神田さんの奮闘の末、茨城県筑西市のテーマパークで展示されることが決定しました。
また、他の熱中人たちも、それぞれの情熱を次世代に引き継ぐための苦労や工夫が紹介されました。趣味やコレクションに対する情熱がどのように未来に受け継がれていくのか、視聴者に大きな感動を与えた番組でした。
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